卓球の回転の種類、回転の「打ち方」と「打ち返し方」を徹底解説

卓球の回転の種類とそれぞれの回転の「打ち方」と「打ち返し方」を徹底解説その他

皆さん、卓球のボールには回転という概念があるのをご存知でしょうか?回転をかけるということをご存知の方も多いと思いますが、回転には複数の種類があります。

かけたいボールの回転によって打ち方も変わってきますし、かかっているボールの回転によって打ち返し方も変わります。

このボールの回転についてしっかり理解していないと、いくら卓球の練習をしていても上達はしませんし、試合で勝つこともできません。逆に回転について理解していると、卓球の上達が早くなりますし、試合でも勝ちやすくなります。

この記事では、卓球のボールの回転の種類やそれぞれの打ち方、打ち返し方を解説していますので、回転についてまだよくわかっていないという方は、是非参考にしてください。

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回転の種類はいくつある?

卓球の回転の種類は、主に上回転・下回転・ナックル・横回転の4つがあります。この4つの回転の技術を使って卓球のラリーは行われています。

厳密にいうとプラスで、横下回転・横上回転などもありますが、横下回転と横上回転は横回転に含めて説明していきます。

この記事では、この4つの回転について詳しく説明してきます。回転について理解できていない方や、打ち返し方がよくわからない方は、しっかり読んで理解していきましょう。

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下回転について

まずは下回転についてですが、下回転は「バックスピン」とも呼ばれる回転のことです。ボールを前に打ってじっと見ていると、自分の方向に戻ってくる回転を下回転と言います。

下回転のボールに対して、相手が間違った打ち方で打ち返そうとすると、ネットに引っ掛けてしまうことが下回転の特徴になります

下回転にはどんな技術がある?

では、ボールに下回転をかけて打つ技術にはどのようなものがあるでしょうか?下回転の技術を見ていきましょう。

下回転サーブ

まずは、名前の通り下回転のサーブです。下回転の技術の代表例で、ボールの下を擦って出すサーブのことです。卓球の基本のサーブで、最初に覚えるサーブですが試合では大事なサーブです。

ツッツキ

ツッツキも下回転の代表例の技術です。ツッツキは台上で、下回転サーブなど下回転に対して台から出るように長く打ち返す繋ぎの技術です。肘を支点にして、ボールの斜め下を擦って打ち返すのが特徴です。

ストップ

ストップもツッツキと同じで台上の技術で、短い下回転サーブに対して打ち返す時に使います。ツッツキは台から出るように長く打ち返すのに対して、ストップは台から出ないように短く打ち返すのが特徴です。

カット

カットは、台から離れてラケットを上から下に振り下ろしながら打つ、カットマン特有の技術です。ドライブやスマッシュなど、上回転の技術に対して打ち返すのが特徴です。

下回転はどうやって打ち返す?

下回転の技術について分かったところで、今度は下回転のボールが来た時の打ち返し方を見ていきましょう。

下回転のまま打ち返す

下回転に対しては、下回転のまま打ち返すことができます。ツッツキに対してツッツキで打ち返したり、ストップに対してストップやツッツキで返したりするのが基本的な打ち返し方になります。

ツッツキなどの下回転に対して、フォアハンドやバックハンドを打つとネットミスするので注意しましょう。

下回転を上回転にして打ち返す

下回転に対して下回転のまま打ち返すのではなく、上回転にして打ち返すこともできます。長く来るツッツキ(下回転)に対して、ドライブ(上回転)を打つことで「下回転→上回転」にして打ち返せます。

また、短いストップ(下回転)に対してフリック(上回転)して打ち返すことも可能です。なるべくこのように、下回転に対しては上回転にして打ち返すことで、試合では有利になります。

下回転を得意とする戦型

下回転についていろいろ分かったところで、下回転が得意な戦型を紹介します。

カットマン

下回転の技術が得意な戦型は、カットマンです。カットマンは、卓球の中でも守備型の戦型になります。基本的には、卓球台から離れてカットと言う技術を使い、守りに徹しています。

守っている中でチャンスを作りドライブで反撃することもあります。ただ世界的にカットマンは少なく、日本でも今では珍しい戦型になっているのも事実です。

下回転を得意とする日本のトップ選手

下回転の打ち方や打ち返し方、得意な戦型がわかったところで、下回転を得意とする日本のトップ選手を紹介していきます。

塩野真人

塩野真人選手は現役時代、天才カットマンと言われた程の実力の選手です。2013年のジャパンオープンでは、台湾の荘智淵選手、日本の松平健太選手や丹羽孝希選手に勝ち、優勝も果たしています。

村松雄斗

村松雄斗選手は、現在東京アートに所属しているカットマンで、世界ランクは最高21位の実力者です。小学生のころから、全国大会で何回も優勝していて実績豊富の選手です。

佐藤瞳

佐藤瞳選手は、ミキハウス所属で世界ランクは最高9位と、世界でもトップクラスの卓球選手です。中国の元世界ランク1位の「丁寧」選手にも2連勝しており、実力は折り紙つきです。

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上回転について

上回転は、「トップスピン」や「前進回転」とも呼ばれる回転のことで、ボールを前に打ってじっと見ていると、そのまま前に進んでいくような回転のことを言います。

下回転とは真逆の回転で、上回転のボールに対して、相手が間違った打ち方で打ち返そうとすると、卓球台を飛び越えてオーバーミスしてしまうのが、上回転の特徴になります。

上回転にはどんな技術がある?

では、ボールに上回転をかけて打つ技術にはどのようなものがあるでしょうか?上回転の技術をを見ていきましょう。

ドライブ(対上回転)

上回転の技術の代表で、ボールの斜め上を後ろから前に擦って上回転をかける技術です。上回転を上回転で打ち返す技術になります。

ドライブ(対下回転)

上記のドライブと違い、今度はツッツキなどの下回転に対して打つドライブで、ボールの後ろを下から上に擦って上回転をかける技術です。下回転を上回転にして打ち返す技術になります。

スマッシュ

スマッシュは、高く上がったチャンスボールに対して打つ技術で、ボールの斜め上を弾くようにして打ちます。ドライブに比べて上回転の量は少ないですが、卓球の最大の攻撃技術です。

フリック

フリックは、ストップなどの短い下回転に対して打つ技術で、ボールの後ろを下から上にコンパクトに擦りながら打ちます。下回転を上回転にして打ち返す技術になります。

ブロック

ブロックは、ドライブなどの攻撃に対して打ち返す守備の技術で、ボールの威力を吸収するイメージでボールの斜め後ろを打ち返します。上回転を上回転のまま打ち返す技術になります。

上回転はどうやって打ち返す?

上回転の技術について分かったところで、今度は上回転のボールが来た時の打ち返し方を見ていきましょう。

上回転のまま打ち返す

例えばドライブなどの上回転の攻撃の技術を打たれた場合は、ブロックをして上回転のまま打ち返します。こちらが攻撃を仕掛けて、逆に相手がブロックをしてきた場合も、対上回転のドライブを打つようにします。

上回転サーブや上回転の技術に対してツッツキをしてしまうと、ボールは飛んで行ってオーバーミスするので注意しましょう。

下回転にして打ち返す

ドライブなどの上回転のボールに対して下回転で打ち返す方法は、カットで打ち返すことです。カットはカットマン特有の技術ですが、卓球台から離れてラケットを上から下に振り下ろして打つ技術になります。

上回転を得意とする戦型

上回転についていろいろ分かったところで、上回転が得意な戦型を紹介します。

ドライブマン

上回転の技術が得意な戦型は、ドライブマンです。ドライブマンはボールに上回転をかけるドライブという技術を使って、攻撃することが得意な戦型です。

もちろんストップやツッツキと言った下回転の技術も使いますが、極力フリックやドライブを打って先に攻撃するようにします。

上回転を得意とする日本のトップ選手

上回転の打ち方や打ち返し方、得意な戦型がわかったところで、上回転を得意とする日本のトップ選手を紹介していきます。

張本智和

張本智和選手は「チョレイ」で有名ですよね!世界ランクは最高3位で、最近では中国選手を倒しているので、この先が楽しみな日本の卓球選手です。

水谷隼

水谷隼選手は、言わずと知れたレジェンド的な選手です。日本の最高峰の大会、全日本選手権では合計10回も優勝している、日本のエースです。

石川佳純

石川佳純選手は、第2の愛ちゃんと言われ、小さい頃から注目されてきた選手です。東京オリンピックのシングルスの代表選考では、平野選手と大接戦だっとことも注目されました。

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ナックル(無回転)について

ナックルは、「無回転」とも呼ばれる回転のことで、回転がかかっていない、または回転がほとんどかかっていないボールのことを言います。

下回転でも上回転でもないので、初心者からすると少し打ち返しづらい技術になります。ですのでこの記事を読んで、しっかりナックルについて理解を深めましょう。

ナックル(無回転)にはどんな技術がある?

では、ボールの回転をナックルにして打つ技術にはどのようなものがあるでしょうか?ナックルの技術をを見ていきましょう。

ナックルサーブ

ナックルサーブは、その名の通りで回転をかけないサーブのことです。ナックルサーブを打つことで、相手のレシーブを浮かせてスマッシュを打つことができます。

プッシュ

プッシュは、ペン粒高の戦型が使う技術で、粒高ラバーを使ってツッツキなどの下回転に対して打ちます。プッシュを打つと、下回転がナックルになります。

ミート打ち

ミート打ちは、表ラバーを貼っている選手が良く使う技術で、ツッツキなどの下回転に対して弾くように打ちます。少し上回転のかかったナックルで、相手が上回転だと思ってブロックすると、ネットミスしてしまいます。

ナックルカット

ナックルカットはカットマンが使う技術で、通常のカットとは違い下回転のかかっていないカットになります。切れたカットとナックルカットをラリー中に混ぜることで、相手を翻弄することができます。

ナックル(無回転)はどうやって打ち返す?

ナックルの技術について分かったところで、今度はナックルのボールが来た時の打ち返し方を見ていきましょう。

上回転にして打ち返す

ナックルに対しては、基本的に中途半端に返そうとするとミスします。ドライブなどの上回転で打ち返す時は、後ろから前に擦るようにして返しましょう。

下から上に振りすぎるとオーバーミスしてしまいますし、フォアハンドやバックハンドなどしっかり擦ろうとしないとネットミスします。

下回転にして打ち返す

ツッツキなどの下回転で打ち返す時も、中途半端にならないように注意です。下回転をツッツキする時のようなラケットの角度で打とうとすると、浮いてしまって甘くなります。少し角度を立てるようにしてツッツキするようにします。

ナックル(無回転)を得意とする戦型

ナックルについていろいろ分かったところで、ナックルが得意な戦型を紹介します。

前陣速攻型

前陣速攻型は、シェークハンドでバック面に表ラバーを貼った選手のことを言います。フォアではドライブを打ちますが、バックではミート打ちなどのナックルの技術を使うのが特徴です。

ペン粒高

ペン粒高は、粒高ラバーを貼った前陣守備の戦型です。基本的に粒高ラバーの面でブロックやプッシュなど、ナックル系の技術をメインに使います。

表ソフト速攻型

表ソフト速攻型は、ペンホルダーのラケットに表ラバーを貼った選手のことを言います。基本的にミート打ちでバンバン攻撃する戦型になります。

ナックル(無回転)を得意とする日本のトップ選手

ナックルの打ち方や打ち返し方、得意な戦型がわかったところで、ナックルを得意とする日本のトップ選手を紹介していきます。

伊藤美誠

伊藤美誠選手は、世界ランク最高2位で中国選手を倒している言わずと知れたトップ選手です。バック面に表ラバーを貼っており、ミート打ちが得意な選手です。

木原美悠

木原美悠選手は、ダブルスで世界1位になったことのある、2020年現在高校生の若き卓球選手です。学生ながら、全日本選手権の一般の部でも2位になっている実力者で、伊藤選手同様にバック面に表ラバーを貼っています。

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横回転について

横回転は、「サイドスピン」とも呼ばれる回転のことで、ボールを前に打ってじっと見ていると、横に曲がりながら進んでいくような回転のことを言います。

横回転を打ち、相手が間違った打ち方で打ち返そうとすると、卓球台のバックサイドやフォアサイドを飛び越えてオーバーミスしてしまうのが、横回転の特徴になります。

ここでは、横下回転や横上回転も含めて説明していきます。

横回転にはどんな技術がある?

では、ボールに横回転をかけて打つ技術にはどのようなものがあるでしょうか?横回転の技術を見ていきましょう。

カーブドライブ

カーブドライブは、通常のドライブよりもボールの側面(外側)を捉えて打つ技術で、相手のフォア側へ曲がっていくドライブです。カーブドライブの回転は横上回転になります。

シュートドライブ

シュートドライブは、通常のドライブよりもボールの側面(内側)を捉えて打つ技術で、カーブドライブとは逆の相手のバック側へ曲がっていくドライブです。シュートドライブの回転は逆横上回転になります。

チキータ

チキータは、バックフリックの進化版のような技術で、手首を使いボールの側面を捉えて相手のバック側へ曲がっていく台上技術です。チキータの回転は横上回転になります。

逆チキータ

逆チキータも、ボールの側面を捉える台上技術で、チキータとは逆のフォア側へ曲がっていく技術です。逆チキータの回転は逆横上回転になります。

流しツッツキ

流しツッツキは、通常のツッツキとは違い、手首を使って横回転を混ぜながらツッツキをします。流しツッツキの回転は、横下回転になります。

横回転はどうやって打ち返す?

横回転の技術について分かったところで、今度は横回転のボールが来た時の打ち返し方を見ていきましょう。

基本的に、横上回転に対してはドライブやブロック、横下回転にはツッツキや対下回転のドライブで打ち返してかまいません。ただし、横回転が混ざっていることを意識して、同じようにボールの少し側面を捉えながら打ち返すことで安定します。

また、横回転が混ざっていることを意識して、コースを狙うようにします。例えばチキータに対してバック側へ打ち返す時は、少しミドルを狙います。そうすることで、ちょうどバック側へ返るでしょう。

横回転が混ざっているチキータに対してバック側へ打つと、バックサイドへ飛んでいくので注意です。

横回転を得意とする戦型

横回転を得意とする戦型は特にありません。チキータであればドライブマンの選手が良く使っていますし、流しツッツキはどの戦型でも使います。またサーブに関しても、横下回転のサーブや横上回転のサーブは誰でも使うサーブです。

横回転を得意とするトップ選手

横回転の打ち方や打ち返し方がわかったところで、横回転を得意とする日本のトップ選手を紹介していきます。

丹羽孝希

丹羽孝希選手は、「カットブロック」という、丹羽選手にしか使えない横回転の技術の持ち主です。カットブロックには中国選手も苦戦を強いられているほどです。

伊藤美誠

ナックルでも紹介した伊藤選手ですが、横回転の技術の逆チキータを使うことでも有名です。ミート打ちや美誠パンチ、逆チキータで中国選手を倒しています。

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回転をかけるのが苦手な方の練習方法

ボールの回転について理解できたところで、あまり回転をかけることができない人の為に、回転をかける練習方法を紹介します。

サーブやドライブの回転が上手くかからない人は、サーブやドライブの練習をする前に、回転をかける感覚を養う練習をしましょう。

卓球台の前に立たなくてもいいので、ボールを上に投げて落ちてきたボールの下面を右から左へ下回転をかけるようにスイングします。スイングした後、地面にバウンドさせて自分の方向へ戻す練習をしましょう。戻ってきたら下回転がかかっている証拠です。

また、ボールを投げて下から上に擦ってキャッチすることで、ドライブをかける感覚練習にもなります。キャッチできる範囲にボールが飛べば上回転がかかっている証拠です。

回転の違いはどうやって見る?

ここまでで、回転の種類やそれぞれの技術の理解は深まったと思います。では、その今学んだ回転の違いはどうやって見るのでしょうか?

回転の違いを見極めるには、相手のスイングの仕方を見るようにします。例えばサーブであれば、サーブを打つ瞬間のスイング方向やラケットの角度を見ることで、下回転なのか上回転なのかを見極めることができます。

またサーブ以外でも、ボールを下から上に擦っていれば上回転、上から下に擦っていれば下回転になります。このように打ち方やスイング方向を見れば回転がわかるので、覚えておきましょう。

回転量の判断の仕方

続いて回転量が多いか少ないかの判断の仕方を紹介します。相手が打ったボールの回転が、上回転なのか下回転なのかがわかったところで、その回転の量を判断できないとミスしてしまいます。

回転量の判断は、相手のスイングスピードや打った瞬間の音で判断ができます。スイングスピードが早ければ早いほど回転量は多くなりやすいですし、遅いと回転がそこまでかかっていないことが多いです。

また、相手がボールを打った瞬間、「パチン」と打球音がした場合はそこまで回転がかかっていません。逆に「シュッ」という擦れた音がした場合は、回転がかかっています。

このように、回転量はスイングスピードや音で判断していきましょう。

回転がかかりやすい回転系ラバーを紹介

最後に、回転のかかりやすいラバーを紹介していきます。回転をかけることが苦手な方は、是非参考にしてください。

  • キョウヒョウプロ2(メーカー:Nittaku、定価:4,500円(税抜))
  • ラザンターR53(メーカー:アンドロ、定価:6,500円(税抜))
  • VJC07StickyExtra(メーカー:VICTAS、定価:4,800円(税抜))

まとめ

この記事では、卓球の回転の種類やそれぞれの回転の打ち方、打ち返し方を紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?

記事を読んでいただき、回転について理解が深まったと思います。回転について理解しないで卓球の練習をするのと、しっかり理解して練習するのでは、大きな差が出てきます。

回転について理解した上で、練習をした方が絶対に上達スピードが速くなります。「この回転のボールが来たらなぜこの技術で打ち返すのか」ということを理解しないで練習していても、試合でその技術は使えません。

回転についてよくわからなくなった時は、是非この記事をまた読んで理解して、卓球の練習に励んでください。また、回転について悩んでいる方がいたら、この記事を進めていただければと思います。

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