この記事では、カットマンにとっての大切な技術、ナックルカットを打てるようになった時のメリット、ナックルカットを安定させるためのコツを紹介していこうと思います。
カットマンにとっての基本技術は、ある程度回転のかかったフォアカット、バックカットですが、ナックルカットもできるようになった方が、確実に卓球の試合で勝てる率が上がると思うので、是非参考にしてください。
ナックルカットとは
まずナックルカットって聞いて何のことかわかるでしょうか?ある程度卓球をしている方なら知っていると思いますが、念のため最初に説明しておきます。
カットはカットマンの技術で、相手がドライブを打ってきたのに対して、後ろに下がってラケットを上から下に振り下ろして打ち返す、下回転の技術になります。
その中でも、通常のカットのように下回転をかけるのではなく「ナックル」のカットなので、無回転のカット技術のことをナックルカットと言います。
ナックルカットのメリット
では通常のフォアカットやバックカットとは別に、ナックルカットができるようになった時のメリットは何があるでしょうか?ナックルカットのメリットを見ていきましょう。
戦術の幅が広がる
まず1つ目に、ナックルカットができるようになることで、戦術の幅が大きく広がります。通常のカットとツッツキだけでは、卓球の試合においてチャンスボールを待つだけで、基本的に守るしかなくなります。
ですが、ナックルカットができるようになることで、通常のカットとナックルカットを混ぜて、自らチャンスボールを作りに行き攻撃に転じることができます。
相手のミスが多くなる
2つ目に、相手のドライブに対してナックルカットで打ち返すことにより、相手は下回転のかかったカットが来たと勘違いして、ツッツキやドライブのオーバーミスが増えてくれます。
通常の同じ回転のカットだけでは、相手は普通にドライブとツッツキをしておけば、基本的にはミスをしてくれません。ミスを待つのではなく、ナックルカットを混ぜて相手のミスを誘えるようにしていきましょう。
ナックルカットを安定させるための5つのコツとは?
ではここからは、ナックルカットを安定させるコツを見ていきましょう。
カットの基本的な打ち方がわからない方は、以下のリンクも参考にしてみて下さい。
1.ラケットの先端を回さないようにする
1つ目のコツですが、ナックルカットを打つためにスイングをする時、ラケットの先端を回さないようにしましょう。ラケットの先端を固定するだけで、ナックルカットができるように近づけます。
ラケットの先端が回るとどうしても回転がかかってしまいますし、回転がかかりやすくなるのでナックルになりにくいです。なのでラケットの先端は固定してスイングするように意識して練習してみて下さい。
2.手首を使わない
2つ目のコツは1つ目のコツと直結していますが、手首を使わないようにしてスイングしましょう。手首を使わないように意識してスイングすることで、自然とラケットの先端が回らなくなり、ナックルカットになりやすくなります。
ラケットの先端を回さないようにも意識しますが、手首を使ってしまうと自然と少なからず回転がかかってしまいます。ナックルカットを打ちたい時は、ラケットの先端を回さないようにと手首を使わないように意識していきましょう。
3.ボールをラケットで後ろから前に押すイメージ
3つ目コツですが、ナックルカットを打ちたい時は、ボールをラケットで後ろから前に押すようなイメージでスイングしましょう。ラケットを上から下にスイングではなく、後ろから前に押すイメージを持つとナックルカットになりやすいです。
上から下にしっかり振り下ろすイメージを持ってしまうと、回転がかかりやすくなってしまうので注意し、なるべく後ろから前に押し出すようにしてスイングしてみて下さい。
4.フォアハンドを下にスイングするイメージ
4つ目のコツは、3つ目のコツと似ていますが、ナックルカットを打つ時にフォアハンドを斜め下にスイングするイメージを持ってみましょう。フォアハンドはオデコにスイングしますが、フォアハンドのイメージを持ち斜め下にスイングするとナックルになります。
3つ目と同様ですが、ラケットを上から下にスイングしたら回転がかかりやすくなるので、3つ目のように後ろから前もしくは、フォアハンドのイメージで斜め下にスイングするイメージを持ってください。
5.床に対して垂直に打球面を作る
最後に5つ目のコツですが、ナックルカットを打ちたい時は、ラケットの角度を床に対して垂直にして打球面を作りましょう。打球面を垂直にすることによって、1つ目~4つ目のコツの内容も生きてきてナックルカットになりやすくなります。
打球時のラケットの角度が少し斜め上を向いていたりすると、下回転がかかってしまいます。下回転のかかったカットを打つ時はボールの斜め下を捉えますが、ナックルカットはなるべく垂直にするように意識しましょう。
ナックルカットの練習方法
ナックルカットを安定させるコツを理解したところで、続いて練習方法を見ていきましょう。
多球練習とラリー練習に分けて紹介するので、参考にしてください。
多球練習
1球1球ドライブ性のボールを球出ししてもらう
まずは、ワンコースで1球ずつ区切ってドライブ性のボールを球出ししてもらい、ナックルカットの練習をします。
ナックルカットは意外に難しいですが、上記のコツを意識しながら、1球1球丁寧に打ち返しましょう。
ワンコースで慣れてきたら、ドライブ性のボールの球出しのコースを、半面や全面と広げていって練習していきましょう。
4球セットでドライブ性のボールを球出ししてもらう
1球ずつ練習することに慣れてきたら、今度は4球セットにします。
まず、4球連続でドライブ性のボールをワンコースに球出ししてもらい、通常のカットとナックルカットを交互に打つ練習をしましょう。
通常のカットとナックルカットを交互に打つ練習をすることで、オールのラリーでも咄嗟にナックルカットを打つことができるようになります。
4球連続の練習でもワンコースで慣れてきたら、球出しのコースを半面や全面に広げて練習をしていきましょう。
ラリー練習
通常のカットとナックルカットを交互に打つ
多球練習でナックルカットを打つことに慣れてきたら、今度はラリー練習です。
まずは、実際のラリーでナックルカットを打つことに慣れるために、ワンコースで通常のカットとナックルカットを交互に打つ練習をしましょう。
ラリーでいきなり交互が難しい場合は、好きなタイミングでナックルカットを混ぜるようにしてもOKです。
ラリーでも同じように、慣れてきたら半面や全面とコースを広げて練習をして、精度をあげていきましょう。
前後の動きを入れながら、ナックルカットを打つ
連続カットの中でナックルカットを混ぜることに慣れてきたら、今度は前後の動きを入れて練習をします。
相手にはツッツキとドライブを交互に打ってもらい、自分はツッツキとカットを交互に打ち、前後の動きの中でもナックルカットを混ぜられるようにしましょう。
この練習も最初は、フォアクロスやバッククロスのワンコースで練習して、慣れてきたら全面でも練習してください。
ナックルカットをミスしないために意識すること
ナックルカットをミスしないために意識することは、無理に全てのドライブに対してナックルカットを打ちに行かないことです。
強烈なスピードドライブが来たのにも関わらず、無理にナックルにしようとするとミスしてしまいます。
「次のドライブをナックルカットしよう」と決めたとしても、強烈なドライブだった場合は一旦通常のカットで凌いで、また次のドライブをナックルカットしようと、臨機応変に対応しましょう。
カットマンのナックルカットを使った戦術
ではここで、ナックルカットを使っての戦術を紹介します。
連続カットの中で、下回転の切れたカットとナックルカットを混ぜる
ナックルカットを使った戦術は、やはりラリー中に下回転の切れたカットと、ナックルカットを混ぜて相手を騙すことです。
切れたカットと見せかけてナックルカットを打ち、相手のドライブをオーバミスさせたり、ナックルカットと見せかけて切れたカットを打ち、ネットミスさせることが、ナックルカットを使う醍醐味になります。
「カット→カット→ナックルカット」や、「ナックルカット→ナックルカット→カット」のようにすることで、相手を翻弄することができます。
ナックルカットを打った後、返ってきたボールにはどう対応する?
では、実際に試合でナックルカットを使ったとして、ドライブをミスしてくれたらいいですが、返ってきた場合どう対応したらいいでしょうか?
ツッツキで返ってきた場合と、ドライブで返ってきた場合で紹介していきます。
ツッツキで打ち返された場合
まずツッツキで返ってきた場合です。ナックルカットを打って、相手が回転に騙されてツッツキが浮いてきた場合は、スマッシュやドライブで決めに行きましょう。
もし騙されず、低くツッツキされた場合は、同じようにツッツキで返すようにします。この時、無理に攻撃してミスしないように注意です。
ドライブで打ち返された場合
続いてドライブで打ち返された場合です。ナックルカットに騙されてドライブをオーバーミスしてくれたら一番良いですが、普通に打ち返されたら、カットで凌ぎましょう。
ナックルカットの影響で、ドライブが浮いてきたらカウンターでもOKです。ただ無理矢理打ちには行かないようにします。
ナックルカットが打ちやすいラバーとラケット
ナックルカットを安定させて打ちたい方の為に、ナックルカットが打ちやすいラバーとラケットを紹介します。
ナックルカットが打ちやすいラバー
まずはナックルカットが打ちやすいラバーを紹介します。
- VS402Limber(メーカー:VICTAS、定価:4,800円(税抜))
- モリストDF(メーカー:Nittaku、定価:4,400円(税抜))
- ファスタークG-1(メーカー:Nittaku、定価:6,000円(税抜))
ナックルカットが打ちやすいラケット
続いてナックルカットが打ちやすいラケットを紹介します。
- KOJI MATSUSHITA SPECIAL(メーカー:VICTAS、定価:12,000円(税抜))
- YUTO MURAMATSU(メーカー:VICTAS、定価:10,000円(税抜))
- インナーシールド レイヤー ZLF(メーカー:BUTTERFLY、定価:18,000円(税抜))
参考動画
最後に、ナックルカットの参考動画を載せておきます。文字だけではわかりづらい部分もあると思うので、その時はこの動画も参考にしてみて下さい。
まとめ
この記事では、カットマンにとって大事な技術、ナックルカットのメリット、安定させるためのコツを紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
近年の卓球界ではカットマンは少なく、カット打ちの練習機会が少ないため、ある程度はカットマンが試合では有利かもしれません。しかし、自分よりも少し格上の卓球選手に勝つためには、相手のミスやチャンスを待つのではなく、自らミスを誘ったりチャンスを作るしかありません。
そのためには、ナックルカットはカットマンにとって必須の技術になりますので、ナックルカットをできるようになりたい方は、是非この記事を参考に練習してみて下さい。
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