皆さん、突然ですが卓球の「カットブロック」という技術をご存知でしょうか?名前は聞いたことがある方も多いと思いますが、実際に試合や練習中に技術として使ったことがあるという方は少ないのではないでしょうか?
カットブロックという技術の名前は、ここ数年でかなり有名になりました。理由は、卓球メーカー「VICTAS」の契約選手で、オリンピック代表の丹羽孝希選手が試合中に使っているからです。
丹羽孝希選手は、前陣での高速カウンターもそうですが、中国人選手相手の大舞台でもこのカットブロックを使って得点を稼ぐことから、「ファンタジスタ」と呼ばれるほどにもなりました。
この記事では、使えばファンタジスタとも呼ばれるほどの技術「カットブロック」について紹介していきたいと思います。
カットブロックとは
さて、さっそくですがカットブロックとはどんな技術なのでしょうか?カットブロックはその名の通り、ドライブに対してカットしながらブロックする技術で、丹羽孝希選手が得意とする技術です。
通常のブロックは、ドライブに対してボールの斜め上を捉えて上回転のまま打ち返すと思います。対してカットブロックは、ドライブに対してボールの斜め横もしくは斜め下を捉えて、上回転を横回転または横下回転にして打ち返します
前陣での技術になるのでかなり難しい技術ですし、簡単にできるものではありません。また、カットブロックは狙って使うものではなく、逆コースをドライブで突かれて咄嗟にラケットが出たときに使うことが多いです。
難しい技術ではありますが少しでも興味がある方は、この記事を読んでカットブロックを使えるように練習してみましょう!
カットブロックの打ち方
まずは、カットブロックの打ち方から見ていきましょう。
- ボールが飛んでくる位置に咄嗟に肘を伸ばしてラケットを出す
以上です!(笑)故意的に使う技術ではないので、これと言ったフォームの型はないかなと思っています。ただ、打つ時の感覚として次に紹介するコツは意識した方がミスは減るので、次にコツを見ていきましょう。
カットブロックを安定させるための5つのコツとは?
続いてカットブロックを安定させるためのコツを見ていきましょう。
1.ボールを薄く捉える
まず1つ目のコツですが、ボールを薄く捉えることです。薄く捉えるという感覚的な話が難しいという人もいると思いますが、カットブロックに関しては薄く捉えることができないと、100%成功しません。
普通のブロックと違ってカットブロックはドライブを横回転や横下回転で打ち返す技術なので、回転を自分の力で上書きしないとミスしてしまいます。回転を上書きするには、薄く捉える必要があります。
まずは薄く捉えられるように、イメージとしてはボールをラバーに食い込ませないように意識しましょう。ボールを食い込ませず表面を擦ることができればオッケーです。
2.バウンド直後を捉える
2つ目のコツですが、カットブロックを打つ時の打点は、バウンド直後を捉えるようにしましょう。バウンド直後を捉えることで、上手くボールを薄く捉えて回転をかけやすくなります。
バウンド直後ではなく、頂点や頂点後などになってしまうと、上手く擦れず回転を上書きできなかったり、ドライブの威力を抑えずらくなってミスしてしまうので注意しましょう。
3.少し手首を使う
3つ目のコツは、カットブロックを打つ瞬間に少し手首を使うようにしましょう。打つ瞬間に手首を使うことでしっかり回転をかけて、相手が打ち返しづらいカットブロックを打つことができます。
ラケットの先端を少し回すようなイメージを持つと、上手く手首を使ってカットブロックを打てるかなと思います。
4.ボールの少し外側を捉える
4つ目のコツは、ボールの少し外側を捉えてカットブロックを打つことです。バックのカットブロックであればボールの少し左側、フォアのカットブロックであればボールの少し右側を捉えることで、ドライブの威力を吸収しながら打つことができ、しっかりと卓球台に収まってくれます。
ボールの外側ではなく、通常のブロックと同じように正面を捉えてしまうと、上手くドライブの威力を抑えることができず、ミスしてしまうので注意が必要です。
横回転をかけにいくといった意味でも、なるべくボールの外側を捉えられるようにしましょう。
5.斜め下にスイングする
5つ目のコツは、カットブロックを打つ時のスイングを、斜め下にスイングすることです。斜め下にスイングすることで、しっかりと横下回転をかけることができ、相手が取りづらいボールになってくれます。
斜め下にスイングした方が、卓球台にツーバウンドしてくれるようなカットブロックになりますし、バウンドした後戻ってくれるような強い下回転になります。
カットブロックの練習方法
カットブロックを安定させるコツがわかったところで、続いて練習方法を見ていきます。
多球練習
軽い上回転を出してもらいツッツキする
まずは、多球練習からです。最初は、上回転を下回転にする感覚を身に付けるために、カットブロックではなくツッツキの練習をします。ただし、普通にツッツキをするのではなく、上回転の球出しをしてもらいツッツキをしていきます。
軽い上回転を出してもらってツッツキをするのですが、この時もコツにあるようにボールの少し外側を捉えてツッツキをしてみましょう。そうすることで回転を上書きして、しっかりと卓球台に収まるようなボールを打つことができます。
ドライブ性のボールを球出ししてもらう
上回転に対してツッツキを打つことができたら、今度はドライブ性のボールを出してもらいカットブロックを打っていきます。ワンコースにドライブボールを出してもらって、1球1球カットブロックをしていきましょう。
実際の試合では逆を突かれた時にカットブロックを使うと思うので、バックのカットブロックの練習をする時であれば、ドライブをフォア側で待つ意識をもって練習するようにしましょう。
ラリー練習
ワンコースにドライブしてもらってカットブロックする
多球練習でカットブロックを打つことに慣れてきたら、今度は実際にラリーで練習していきましょう。まずは下回転サーブを出しもらいツッツキをして、ワンコースにドライブを打ってもらいカットブロックをしていきましょう。
ラリー練習でも逆を突かれたことを想定して練習することで、試合の咄嗟の時でもカットブロックが打てるようになります。
全面にドライブしてもらってカットブロックする
ワンコースでの練習でもカットブロックがある程度入るようになったら、今度は全面にドライブを打ってもらいましょう。全面にドライブが来るようになると力が入って、つい強く当てに行きがちになりますが、なるべく力を抜いて薄く捉えられるようにしていきましょう。
またミスが増えた時は、上記のコツを読み返しながら練習をすることでミスが減っていくと思うので、読み返しながら練習をしてみましょう。
カットブロックをミスしないために意識すること
カットブロックをミスしないために意識することは、ボールを薄く捉えることと、ボールの外側を捉えることです。
やはりボールを薄く捉えれないことには、カットブロックはできません。分厚く当たりすぎると回転をかけることができず、卓球台に収まらずオーバーミスしてしまいます。なるべく薄く捉えるように練習しましょう。その為には上回転に対してツッツキをする練習を頑張りましょう。
またボールの外側を捉えることでドライブの威力を吸収して横回転をかけやすいので、正面ではなく外側を捉えることも忘れないようにしましょう。特にこの2つは大事なので練習する時は意識してください。
カットブロックを使った戦術
カットブロックを使った戦術は特にありません。ないというか、基本的にはカットブロックは狙って使うことがないからです。試合でカットブロックを使うことがあっても、狙ってではなく逆を突かれて咄嗟にカットブロックを使ったということがほとんどです。
ファンタジスタの丹羽孝希選手もほとんどが逆を突かれて咄嗟にカットブロックを使ったというのがほとんどだと思います。(丹羽選手は狙って打っていることもあるかもしれません)
私は逆を突かれたときにミスするよりかは、カットブロックを使えた方がいいから練習するというスタンスで昔少し練習していました。ですので戦術は特になく、最終手段で使うという認識でいてください。
カットブロックの打ち返し方
では逆に、相手が咄嗟にカットブロックをしてきた場合はどうすればいいでしょうか?ここまでで説明している通り、カットブロックは上回転のドライブを横下回転にして打ち返す技術です。(捉え方によります)
結構強い回転がかかっていることが多く、普通に打ち返そうとするとネットミスするので注意が必要です。ですのでカットブロックを打たれた時は、横回転を意識しながらツッツキで打ち返すか、下回転に対してのドライブで打ち返すようにします。
回転が強いので、思っているよりも回転が強いことを意識して、ツッツキかドライブで打ち返しましょう。ドライブで打ち返す場合は、ループドライブで打ち返すのが無難です。
カットブロックを打った後、返ってきたボールに対してどう対応する?
カットブロックを打てるようになったとして、カットブロックを打ち返された場合はどう対応したらいいでしょうか?
ツッツキで打ち返された場合
まずツッツキで打ち返された場合ですが、ドライブで打ち返して攻撃していきましょう。ただし、相手のツッツキにカットブロックの回転が残っていることに注意しましょう。
カットブロックの横下回転が残っていて、ツッツキがバウンドしてきた瞬間に曲がってきます。バウンドの瞬間曲がってくることを頭に入れて、ドライブを打ちに行くようにしましょう。
ドライブで打ち返された場合
続いてドライブで打ち返された場合ですが、せっかくカットブロックでラリーの流れを変えれたので、少し下がってカウンターを打って引き合いに持っていくようにしましょう。カウンターが難しい場合は全然ブロックでもオッケーです。
ただしこのドライブも、上記のツッツキで打ち返された場合と同じで、カットブロックの回転が残っていて曲がってくるので、バウンド直後曲がることは頭に入れて注意しておきましょう。
参考動画
最後に卓球のカットブロックの参考動画リストを載せておきます。文字だけでは分かりづらいという方は、動画も見ながら勉強をするとカットブロックの打ち方がイメージしやすいと思いますので、参考にしてみましょう。
カットブロックのまとめ
この記事では、卓球のカットブロックの打ち方や安定させるコツ、練習方法などを紹介していきましたがいかがでしたでしょうか?
この記事を読んでもらったり動画を見てもらうとわかる通り、カットブロックは非常に難しい技術です。またカットブロックは試合中に故意的に使うものではありませんし、故意的に使うのも難しい技術です。
私も何度か試合中やオールの練習中に使うことがありますが、故意的にではなくドライブで逆コースを突かれて咄嗟にラケットを出したときにカットブロックを使ったという感じです。ですので、咄嗟の時に使えたらいいなくらいで思ってもらえればと思います。
簡単にできるものではありませんが、記事を読んでもらうことで少しでもコツを掴んでもらえればと思うので、カットブロックの練習をする時は是非この記事を参考にしていただければと思います。
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