フォアカットとは
フォアカットは、ラケットを上から下にスイングして、ドライブ性(上回転)のボールを下回転にする技術です。卓球台から少し離れた後陣から打つのが特徴で、主にカットマンが使います。
最近ではドライブマンが多くなり、カットマンの選手の数がかなり少なくなっていますが、使いこなすとかなりの武器になりますし、かなりかっこいい技術です。
では打ち方やフォアカットを安定させるためのコツは何があるのでしょうか?詳しく見ていきましょう!
フォアカットの打ち方
ではフォアカットを安定させるコツの前に、まずは打ち方から見ていきましょう。
- 右足を後ろに下げる
- ラケットを右耳の位置に持っていく
- 肘を支点にしてラケットを右膝の前に振り下ろす
上記が、フォアカットの打ち方になります。打ち方が理解できたら、続いてコツを見ていきます。
フォアカットを安定させるための5つのコツとは?
卓球のフォアカットという技術は、ある程度スピードのあるドライブを打ち返す技術ですし、回転をかける技術なので最初は難しく感じると思います。
ですが、コツさえ掴めばしっかり上達できるので、以下のコツを参考にしてみましょう!
1.右足をしっかり後ろに下げる
まず1つ目ですが、フォアカットを打つ時は右足を後ろに下げて打つようにします。カットマンの基本の構えは平行足ですが、フォアカットを打つ時に1回1回右足を下げます。右足をしっかり下げてフォアカットを打つことにより、相手のボールの威力を抑えながらカットを打つことができます。
右足を下げないで、平行足のままフォアカットを打ってしまうと、相手のボールの威力を抑えることができずにカットがオーバーミスしてしまったり、上手く回転をかけることができなくなってしまいます。フォアカットを打つ時は、しっかり足の位置や動きを意識していきましょう。
2.ラケットは顔の高さまで上げる
2つ目のコツは、バックスイング時はラケットを顔の高さまで上げることです。なるべくボールを打つ前のバックスイング時はラケットをボールよりも高い位置に、だいたい顔の高さくらいに持っていきます。またラケットが離れすぎていても良くないので、右耳のそばに持っていくように意識しましょう。
ラケットが顔の高さまで上がっていないと、しっかり振り下ろしてカットできずオーバーミスしてしまいますし、右耳から離れすぎていると大振りになり、上手くカットできません。なるべくラケットは顔の高さで、右耳の近くに持ってくるようにしましょう。
3.肘を支点にする
3つ目のコツは、肘を支点にすることです。卓球の技術は基本的にどれも肘を支点にするのですが、カットも例外ではありません。フォアカットも打つ時は肘を支点にすることによって、無駄な力が入らず上手く遠心力を使い下回転をかけることができます。
肘を支点にせず、肘を動かしながらフォアカットを打ってしまうと、大振りになって上手く相手のボールの威力を抑えることができず、ミスが増えてしまいます。なるべく肘を支点にしてフォアカットするように意識して練習しましょう。
4.体重移動する
4つ目のコツは、体重移動することです。これも卓球ではお馴染みですが、フォアカットを打つ時も体重移動は必須になります。フォアカットのバックスイングをとった時点では体重は右足に乗せ、打つと同時に左足に移動させていきます。
そうすることで、上手く相手のボールの威力を吸収しながら自分の力で打ち返すことができます。体重移動せず、右足に体重が残ったままフォアカットを打ってしまうと、体勢が崩れてミスしてしまうので注意しましょう。
5.ボールを体に引き付ける
5つ目のコツですが、フォアカットを打つ時はボールを体に引き付けるようにして打ちましょう。しっかり体に引き付けて、体の横くらいの位置で打つと自分の力で打ち返すことができて、カットが安定してくれます。
ボールを引き付けることができず、体より前の方で打ちに行ってしまうと、手打ちになってしまい上手く回転をかけることができず、またボールとラケットが反発して卓球台を飛び越えてオーバーミスが多くなります。フォアカットを打つ時は、なるべく体に引き付けて打つように注意しましょう。
フォアカットの練習方法
フォアカットのコツがわかったところで、今覚えたコツを意識しながら練習をしてみましょう。
多球練習とラリー練習を紹介するので、環境があればまずは多球練習から始めてみてください。
多球練習
フォア側ワンコースにドライブ性の球出しをしてもらう
他の技術でもそうですが、フォアカットもまずはワンコースに球出しをしてもらって、ひたすらフォアカットで打ち返す練習です。
繰り返しワンコースでフォアカットの練習をすることで、カットを打つ感覚を養ったり、綺麗なフォームを身に付けていきます。
フォアとミドル交互にドライブ性の球出しをしてもらう
ワンコースの練習で、ある程度フォームや感覚が体に染み込んできたら、コースをフォアとミドルに揺さぶってもらい、フォアカットを打つ練習をします。
カットマンの弱点はミドルと言われているので、ミドルにドライブを打たれても、しっかり足を動かしてフォアカットできるように練習しましょう。
前後の動きを含めて球出しをしてもらう
多球練習でフォアカットを打つことに慣れてきたら、ツッツキも含めて練習をしていきます。
相手にドライブとツッツキを交互に打ってもらい、フォアカットとツッツキを交互に打ち、カットマンにとって大事な前後の動きを練習しましょう。
ツッツキは最初バックツッツキだけにして、慣れてきたらフォアツッツキも含めて練習していきます。
ラリー練習
フォアクロスでラリーする
ラリー練習でも多球練習と同じように、まずはワンコースでドライブを打ってもらいフォアカットの練習をします。
多球練習である程度打ち返せるようになっていても、実際のドライブを受けてみるとフォアカットのミスはまた増えると思います。
ラリーでもある程度安定するまでは、ワンコースでフォアカットの練習をしましょう。
前後の動きを含めてラリーする
ラリーでもワンコースでフォアカットを打つことになれたら、また前後の動きもいれて練習しましょう。
最初は相手にツッツキとドライブを交互に打ってもらい、こちらもツッツキとフォアカットを交互に打ちます。
慣れてきたら交互ではなく、ランダムでも前後の動きをいれて練習しましょう。
フォアカットをミスしないために意識すること
フォアカットをミスしないために意識することは、相手のドライブの回転や威力を見極めてカットすることです。
ドライブの回転や威力を気にせず、ただ覚えたとおりにフォアカットを打ちに行くと、威力や回転に負けてオーバーミスしますし、威力や回転が思っているよりも弱くてネットミスしてしまうこともあります。
フォアカットの基本を覚えたところで、次は相手のドライブの威力や回転に合わせてカットできるようにしてきましょう。
フォアカットを使った戦術
フォアカットについていろいろ分かったところで、次は戦術を見ていきましょう。練習でカットが入るようになったら試合でも使えるようにしていきます。
フォアカットで相手を左右に振る
1つ目の戦術は、フォアカットで相手を左右に揺さぶることです。あまりツッツキをせずにドライブを打ってくる相手は、カットでフォアとバックに揺さぶって動かしましょう。
左右に動かすことで、相手が疲れたりドライブミスをしてくれることがあります。ガンガンドライブを打ってくる相手には、ワンコースにカットを集めず、左右にコースを振るようにします。
フォアカットからの攻撃
2つ目の戦術は、フォアカットを何本か打った後にドライブで攻撃する戦術です。フォアカットを相手のフォア側へ集めて、連続でフォアドライブを打たせます。その後、バック側へフォアカットをすると、だいたいツッツキしてくれます。
ツッツキしてきたボールに対して、ドライブで攻撃して決めに行きましょう。カットマンでも、相手が繋いできたボールに対しては、積極的に攻撃することで得点に繋がります。
フォアカットを浮かさないためには?
フォアカットを浮かさないための注意点ってご存知でしょうか?カットのミスは少ないが、浮いてしまってスマッシュでノータッチで抜かれてしまうという話を、たまにカットマンの方から聞くことがあります。
フォアカットのミスが少なくても、浮いてしまっては得点には繋がりにくいので、カットを浮かさないようにするための注意点を紹介ていきます。
卓球台から下がりすぎない
フォアカットを浮かさないための1つ目の注意点ですが、卓球台から下がりすぎないことです。よくいらっしゃるのが、そこまで威力のないドライブに対しても、卓球台からかなり下がってカットを打ちに行く人です。
威力のないドライブは思っている以上に弾んできません。弾んでこないドライブに対して卓球台から下がったところで、下がった位置にボールが飛んでこないので、腰が引けたようにカットを打ってしまいます。
腰が引けている体勢の崩れた状態でフォアカットをするとラケットの面が上を向きすぎて、ボールが浮いてしまいます。
ですので、フォアカットを浮かさないためには、卓球台から下がりすぎないように注意しましょう。
ネットに向かってフォアカットを打つイメージを持つ
2つ目は、注意点というか意識的な話になりますが、ネットに向かってカットを打つイメージを持ちましょう。意外とイメージって大事で、何も考えずに打つよりかは、ネットに向かって打つイメージを持った方が、弾道が低くなってくれます。
どうしてもフォアカットが浮いてしまう方は、浮かさないようにするために1度騙されたと思って、ネットに向かって打つイメージを持ってみてください。
フォアカットの切り方って?
フォアカットの切り方はご存知でしょうか?普通にカットは打てるけど、強い下回転のかかったカットを打てる方はあまりいません。フォアカットをしっかり切りたいという方はいっぱいいると思うので、フォアカットの切り方を簡単に紹介します。
スイングの方法
まずフォアカットをしっかり切りたい時のスイングの方法を紹介します。スイングは顔の横の高さから下に振り下ろすんですが、この時の力加減が大事になります。
ラケットを高く上げた時は、腕の力を抜いてリラックスさせましょう。力を抜いた状態から、打球の瞬間に一気に力を入れることで、しっかりと切れたカットを打つことができます。
ラケットの角度
続いて、フォアカットを切りたい時のラケットの角度です。ラケットの角度は、台に対してだいたい45度くらいにしましょう。ラケットの角度を45度にすると、すごく切れたカットが打ちやすくなります。
45度から90度に近づくにつれて回転がかかりづらくなるので注意です。
フォアカットが安定するラバーとラケット
ここで、フォアカットが打ちやすいラバーとラケットを紹介します。カットを安定させたいという方は、参考にしてください。
フォアカットが安定するラバー
フォアカットが安定するラバーは以下になります。比較的、カットを切りやすいラバーでもあるので、参考にしてください。
- モリストDF(メーカー:Nittaku、定価:4,400円(税抜))
- VS401(メーカー:VICTAS、定価:4,800円(税抜))
- VJC07StickyExtra(メーカー:VICTAS、定価:4800円(税抜))
フォアカットが安定するラケット
続いてフォアカットが安定するラケットです。
- YUTO MURAMATSU(メーカー:VICTAS、定価:10,000円(税抜))
- インナーシールド レイヤー ZLF(メーカー:BUTTERFLY、定価:18,000円(税抜))
- KOJI MATSUSHITA SPECIAL(メーカー:VICTAS、定価:12,000円(税抜))
参考動画
最後にフォアカットの参考動画のリストを載せておきます。トップクラスの卓球選手やコーチのフォアカットは、やはりフォームがとてもきれいなので、是非参考にしてみてください!
まとめ
フォアカットは、ドライブを打ち返す技術なので、最初はドライブのスピードが早かったり、回転に負けてしまい難しく感じるかもしれません。
ですが、きれいな打ち方やコツさえ理解して身につければ、どんなドライブでもカットできるようになります。カットマンを目指している方は、是非この記事を参考にして、フォアカットを身につけていただければと思います。
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