現代卓球では前陣での高速卓球が主流になってきていて、台上ドライブが必須技術になりつつあります。
台上ドライブは丹羽孝希選手や、張本智和選手が得意としている技術ですが、最近では一般の選手でも使っている方が多くなってきています。
この記事では、そんな台上ドライブを安定させるコツや練習方法、台上ドライブを使った戦術などを紹介していきます。
台上ドライブとは
卓球の台上ドライブは、その名の通り「卓球台の上で打つドライブ」のことです。
通常のドライブは、卓球台からボールが出てからドライブを打ちますが、現代卓球では高速卓球となっているので素早い攻撃が必要となっており、台から出るか出ないかのボールに対しても、ドライブを打って先手を取る必要があります。
ですので、この台上ドライブは現代卓球において、強い選手に勝つためには必須技術となっています。
卓球台に指をぶつけるのが恐い?
紹介している通り、台上ドライブは卓球台から出るか出ないかのボールに対して打つ技術ですので、ドライブを打ちに行く際に台に指をぶつけてしまう可能性があります。
台に指をぶつけるのが恐くてなかなか練習できない方や、実際にぶつけてしまった方もいるのではないでしょうか?私は、実際に台上ドライブの練習中、指をぶつけてしまった人の一人です(笑)
しかし、ぶつけてしまうのが恐いのもわかりますが、ぶつけてしまうのにも理由があります。卓球台に指をぶつけてしまう人の特徴として、バックスイングを大きく取りすぎてしまうということがあります。
バックスイングを大きく取りすぎると指をぶつけてしまうので、なるべくコンパクトに、極端に言えば台上にラケットを置いておくくらいのつもりで台上ドライブを練習すると、指をぶつけなくなります。
指をぶつけるのが恐い方は、スイングでボールを飛ばすよりか、腰でボールを飛ばすつもりで台上ドライブを打つことをオススメします。
台上ドライブの打ち方
台上ドライブの打ち方を見ていきましょう。台上フォアドライブと台上バックドライブ、それぞれの打ち方の流れを見ていきます。
台上フォアドライブの打ち方
まずは台上フォアドライブの打ち方からです。
- 右足を前に出して体を台に近づける
- ラケットを高い位置に保ちコンパクトにバックスイングをとる
- しっかりと腰を使いスイングして打球する
台上バックドライブの打ち方
続いて台上バックドライブの打ち方です。
- 右足を前に出して体を台に近づける
- バックスイングを左腰のあたりにとる
- ボールの斜め上をしっかり擦ってスイングする
台上ドライブを安定させるための5つのコツとは?
ではさっそく、台上ドライブを安定させるためのコツを見ていきましょう。
1.ボールの長さを素早く判断する
1つ目のコツは、相手が打ってきたボールの長さを素早く判断することです。台上ドライブは、短すぎるボールに対しては打てません。そこを無理に打ちにいくと空振りなどのミスをしてしまいます。
普通にボールが出るなら通常のドライブをすればいいですし、台から全く出ないならストップやツッツキをします。出るか出ないかのボールに対しては台上ドライブと、なるべく素早く判断して適切な打ち方をしていきましょう。
2.体を卓球台に近づける
2つ目のコツは、体をしっかり卓球台に近づけることです。体を台に近づけるために、右足をボールのバウンド地点に持っていきましょう。
右足をしっかり出して体を近づけることによって、安定した台上ドライブを打つことができます。逆に右足がでずに台から体が遠くなると、手打ちになってしまいミスが増えるので注意しましょう。
3.回転をしっかりかけるようにして打つ
3つ目のコツは、回転をしっかりかけて台上ドライブを打つようにすることです。回転をしっかりかけないと安定したボールを打つことは難しいので、最初の内はスピードや威力よりも回転をかけて安定性を重視しましょう。
回転をかけて台上ドライブを打てるようになってきたら、徐々にスピードや威力も上げて練習していくといいです。
4.バックスイングはコンパクトにとる
4つ目のコツは、台上ドライブを打つ時のバックスイングはコンパクトにとることです。コンパクトにすることで、台に指をぶつける心配もなくなりますし、ボールが安定し、戻りも早くなります。
ただしコンパクトにする分、腰をしっかり使って打つようにします。そうすることで、ボールをしっかり飛ばすことができます。
5.上半身を沈めるようにする
5つ目のコツは、上半身を台に沈めるようにして打つことです。イメージはボールと同じ目線まで沈めるようにします。台上ドライブは、上半身が高かったり姿勢が高いと安定したボールは打てません。
実際に目線をボールに合わせるのは難しいですが、そうする意識をもって台上ドライブを打ちましょう。
台上ドライブの練習方法
続いて台上ドライブの練習方法を見ていきましょう。多球練習とラリー練習のそれぞれの練習方法を見ていきます。
多球練習
出るか出ないかのツッツキボールを球出ししてもらう
まずは球出しで、ボールが台から出るか出ないかのツッツキボールを出してもらい、それに対して台上ドライブを打つ練習をします。最初は無理にすべてのボールに対して、台上ドライブを打つ必要はありません。
打てるボールをしっかり選んで台上ドライブを打ち、難しそうであればストップやツッツキを打ちましょう。
いろんな長さのツッツキボールを球出ししてもらう
慣れてきたら、いろんな長さのツッツキボールを出してもらい、台上ドライブの練習をします。明らかに短いボールはストップやツッツキを、長いボールはドライブ、出るか出ないかのボールは台上ドライブを打ちます。
このような感じで徐々に実践的にしていき、明らかに短いボールは繋いで良いですが、他は極力ドライブを打てるように練習していきましょう。
ラリー練習
出るか出ないかの下回転サーブを出してもらう
多球練習でボールが安定してきたら、今度はラリーの中でも台上ドライブを打てるように練習していきます。
まずはレシーブから台上ドライブを打てるようにするために、卓球台から出るか出ないかの下回転サーブを出してもらい、それに対して台上ドライブを打つ練習をします。
実際の試合でも、中途半端な長さのサーブが来た時に、ドライブを打とうか迷ってしまう場面はあるので、そういった時にしっかりと攻撃できるように練習していきましょう。
下回転サーブを出していろんな長さのツッツキレシーブをしてもらう
今度は自分から下回転サーブを出して、相手にいろんな長さのツッツキレシーブをしてもらい、出るか出ないかのツッツキが来たら台上ドライブを打てるように練習をします。
サーブ→3球目の流れの中で、ドライブを打てるボールと打てないボールの判断を素早くできるようにしていきましょう。打てないくらいの短いボールは、潔く繋ぐのもポイントです。
台上ドライブをミスしないために意識すること
台上ドライブをミスしないためには、相手のボールの長さをしっかり判断することと、体を卓球台にしっかり近づけることが大事になります。
相手のボールが卓球台から出るか出ないかの長さだと台上ドライブが打てますが、少しでも短すぎると打てないのでストップやツッツキをすることになります。そこの判断を素早くできるようにしましょう。
また卓球台から出るか出ないかの短いボールに対して、体が遠すぎると手打ちになりミスしてしまいます。台上ドライブを打つ時は、しっかりと体を台に近づけるようにしましょう。
最低限この2点を意識すれば、格段に台上ドライブのミスが少なくなります。
台上ドライブを使った戦術
台上ドライブのコツや練習方法がわかったところで、実際に試合で使える戦術を見ていきましょう。
3球目台上ドライブから高速で攻撃
1つ目の戦術は、サーブから3球目台上ドライブを打った後、5球目の攻撃も打点を早くして打つことです。台上ドライブは、打つタイミングが早いので相手に待つ時間を与えません。
そんな中、5球目も打点を早くして高速で攻撃をすることで、さらに相手に時間を与えないので、だいたい得点につながります。
レシーブでストップした後に台上ドライブ
2つ目の戦術は、相手のサーブに対してストップした後、台上ドライブを打つことです。ストップに対して相手もストップをしてくる可能性が高いですが、中途半端に長くなることも多いです。
相手はストップをしているので体が台の近くに残っています。そこを見逃さず台上ドライブを打つことで、相手は詰まりながらブロックをしてミスしてくれる可能性が高くなります。
台上ドライブの打ち返し方
では逆に相手に台上ドライブを打たれた場合はどうしたらいいでしょうか?
相手に台上ドライブを打たれた時は、ブロックをするか少し離れてカウンターをして引き合いに持っていくようにします。ただカウンターは難しいのでブロックでしのぎましょう。
ここで気を付けることですが、台上ドライブは打つタイミングが早いのでブロックが間に合わない場合があります。相手が右足を出してバックスイングをとった時点で、台上ドライブを打たれると判断し、素早くブロックで構えるようにしましょう。
台上ドライブを打った後、返ってきたボールに対してどう対応する?
では台上ドライブを打った後、打ち返されたボールに対してはどう対応すればいいでしょうか?
ブロックで打ち返された場合
ブロックで打ち返された場合は、連続でドライブを打ち攻撃していきましょう。攻撃の手を緩めると相手が反撃してくるので、しっかりとドライブを打ちます。
ただし、台上ドライブを打った後は、体が台に近づきすぎているので、必ず台との距離を保つようにしましょう。
カウンターで打ち返された場合
カウンターで打ち返された場合は、ブロックでしのぐか少し台から離れて引き合いに持っていくようにしましょう。
ただ、台上ドライブは体を台の近くに持って行っているので離れて引き合いをするのは少し難しいので、1本目はブロックで打ち返すのが無難ですね。
台上ドライブが打ちやすいラバーとラケット
台上ドライブが打ちやすい用具を紹介します。練習しているけど上手く台上ドライブができないと言う方は、少し用具に頼ってみるのもいいと思います。
台上ドライブが打ちやすいラバー
まずは台上ドライブが打ちやすいラバーを紹介していきます。
- V15エキストラ(メーカー:VICTAS、定価:6,000円(税抜))
- ファスタークG1(メーカー:Nittaku、定価:6,000円(税抜))
- ディグニクス09c(メーカー:BUTTERFLY、定価:オープン価格)
台上ドライブが打ちやすいラケット
続いて台上ドライブが打ちやすいラケットを紹介していきます。
- インナーフォースレイヤーZLC(メーカー:BUTTERFLY、定価:21,500円(税抜))
- スワットパワー(メーカー:TSP、定価:10,000円(税抜))
- クリッパーウッド(メーカー:STIGA、定価:13,000円(税抜))
参考動画
最後に、台上ドライブの参考動画リストを載せておきます。テキストだけでは分かりづらいと言う方は、動画も参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、卓球の台上ドライブを安定させるコツや練習方法、台上ドライブを使った戦術を紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?
近年の卓球では高速卓球になっていて、先に攻撃をしてマウントをとった方が勝ちやすくなっています。先に攻撃するためには台上ドライブは必須技術です。卓球台から出るか出ないかのツッツキやギリギリ出ないツッツキに対して、ドライブを打てずに繋いでしまうと相手に先に打たれて得点を取られやすくなります。
そうなってしまわないように、この記事を読んで台上ドライブをしっかり練習して、どんなボールでも攻撃できるようにしていきましょう!
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