バックスマッシュとは
卓球のバックスマッシュは、バック側にボールが高く浮いてきた際に使う技術になります。バック側にボールが浮いてきたら、ラケットのバック面で「パチン!」と高い音がなるように強打することをバックスマッシュと言います。
ただし、できればバック側にチャンスボールが来たとしても、足を動かして回り込んでフォアスマッシュができると良いです。バックスマッシュができるようになったとしても、フォアスマッシュの方が威力が高いので、回り込む時間がないときだけ、バックスマッシュを使う認識でいましょう。
では卓球のバックスマッシュはどのように打つのでしょうか?打ち方の流れ見ていきましょう。
バックスマッシュの打ち方
バックスマッシュは、自分の正面にチャンスボールが来たときに打つ技術ですが、具体的にどのように打つのでしょうか?体の使い方やラケットの位置など、具体的にバックスマッシュを打つ流れを見ていきましょう。
- バック側に浮いたボールが来ることを確認する
- ラケットを左肩の位置に引きながら、腰も少し左に回す
- このときのラケットの角度は60度から70度くらい
- ボールが頂点か顔の高さくらいに来たら、肘を支点にして真っ直ぐ前にスイングする
以上が、卓球のバックスマッシュの打ち方の流れです。正面に浮いたボールが来る分、フォアスマッシュよりも打ちにくいかもしれませんが、コツさえつかめばミスが少なくなります。
次からはバックスマッシュを安定させるコツを見ていきましょう。
バックスマッシュを安定させるための5つのコツとは?
では、ここからはバックスマッシュを安定させるコツを説明していきます。このコツさえ押さえれば、ミスが格段に減りバックスマッシュが安定するはずなので、しっかり見ていきましょう。
1.肘を少し前に出してラケットは左肩の位置にもっていく
まず1つ目のコツですが、バック側にチャンスボールが来たときに、打つ前にバックスイングを引くのですが、肘を少し前に出してラケットを左肩の位置に準備しましょう。
浮いたチャンスボールに対して、バックスイングをとる時点で、ラケットが左肩の位置よりも低いと、上に打ち上げるような打ち方になってしまい、オーバーミスしてしまいます。
また、肘を前に出していないとうまくバックスイングがとれずにつまってしまったり、威力がでないのでなるべく肘は出してバックスイングをとりましょう。
2.少しだけ腰を左に回す
2つ目のコツですが、バックスイングをとるとき少しだけ腰を左に回すことです。大きく腰を回してしまうと、振り遅れてしまうことがあるので、少し回すのがコツです。
バックスイングをとるときに少し腰を回して、打つ瞬間に回した腰を戻しながらバックスマッシュを打つことで、スマッシュの威力が格段に上がります。
腰を回さずに手だけでバックスマッシュを打って、めちゃくちゃミスが増えるわけではないですが、タイミングがとりづらかったり威力が弱くなるので、できるだけ腰も使って打つようにしましょう。
3.ラケットの角度は60度から70度くらい
3つ目のコツですが、ラケットの角度を60度から70度にすることです。これはフォアスマッシュと同じですが、バックスマッシュでもラケットの角度を立てすぎるとオーバーミスしてしまいますし、寝かせすぎるとネットミスしてしまいます。
ですので、バックスマッシュを打つときもラケットの角度をしっかり調整するように意識しましょう。
4.腰を戻しながら、肘を支点にして真っ直ぐ前にスイングする
4つ目のコツですが、腰を少し左に回した後、打つ瞬間は腰を戻しながら肘を支点にして前に真っ直ぐスイングするようにしましょう。この時に、肘を支点にしないで肘も一緒に動かしながらバックスマッシュを打ってしまうと、大振りになってしまいミスが増えてしまいます。
また、前に真っ直ぐスイングしないで、斜め上にスイングすればオーバーミス、斜め下にスイングすればネットミスが増えるので、なるべく前に真っ直ぐスイングするようにしましょう。
5.スイング時、ボールがラケットに当たっても振り抜く
5つ目のコツですが、バックスマッシュを打つ際にボールがラケットに当たってもスイングを止めずに振り抜くようにしましょう。卓球初級者の方でよくありがちなのが、ボールがラケットに当たるとスイングが止まることです。
スイングを止めてしまうとだいたいネットミスしてしまうので、最初はオーバーミスしてもいいので振り抜けるように練習していきましょう。
バックスマッシュの練習方法
では、ここからはバックスマッシュの練習方法を多球練習とラリー練習に分けて紹介していきます。
どの技術でもそうですが、できる環境があればまず多球練習をして安定してから、ラリー練習で精度を上げていくような流れで練習していきましょう。
多球練習
肩の高さくらいのチャンスボールをバック側に球出ししてもらう
まずは、バック側の一定の位置に肩くらいの高さのボールを球出ししてもらい、バックスマッシュを打ち込む練習をします。
この時に、なにも考えずおもいっきり打つのではなく、打点やスイングがこの記事のコツ通りにできているかを意識しながら打ちましょう。
慣れてきたら、球出しのボールの高さを少しバラバラにすることで、より実践的な練習になります。
バック半面に高いボールを少し散らして球出ししてもらう
ワンコースの球出しでバックスマッシュが安定してきたら、バック半面で少し散らしてもらって、バックスマッシュの練習をします。
この時、足を止めたままバックスマッシュの練習をするのではなく、しっかりと1球1球に合わせて足を動かして練習するように意識しましょう。
ラリー練習
フォアハンドとバックハンドの切り替えを何本かした後にバックスマッシュ
ラリー練習では、動きの中でバックスマッシュをできるようにするために、フォアとバックの切り替えをした後に、バックスマッシュを打つ練習をしましょう。
最初はフォアとバックを合計4本打って、5本目をバックに浮いたボールを送ってもらい、バックスマッシュというように決めて練習をします。
慣れてきたら、浮いたボールを送ってもらうタイミングをランダムにするなど、段階を踏んで練習していくと良いでしょう。
下回転サーブ→ループドライブ→バックスマッシュ
動きの中でバックスマッシュを打つことにも慣れてきたら、今度はサーブからです。
下回転サーブを出してフォア側にツッツキしてもらい、ループドライブを打ち、バックに浮いたボールを返してもらい、バックスマッシュです。
このように、実際の試合を想定してラリー練習をすることにより、技術の精度が上がっていきます。
バックスマッシュをミスしないために意識すること
バックスマッシュをミスしないために意識することは、フォアスマッシュでも同じことですが、焦って打ちにいかないようにすることです。
チャンスボールを強く打つスマッシュなどは、「甘いボールがきた!おもいっきり打たなきゃ!」と思って焦って打ちにいきがちです。
焦って打ちにいくと、打点が速くなりミスが増えて余計に焦ってしまい、またミスが出るという悪循環になります。ですのでバックスマッシュを打つときは、なるべく焦らないように意識しましょう。
バックスマッシュを打つための3球目、4球目攻撃の戦術
ここまでは、バックスマッシュの打ち方やコツ、練習方法を紹介していきました。では、実際に卓球の試合で使うにはどうしたら良いでしょうか?
バックスマッシュは打つための戦術を3球目攻撃と4球目攻撃、それぞれ見ていきましょう。
3球目でバックスマッシュを打つためには?
まず3球目でバックスマッシュを打つためには、短いナックルサーブを出しましょう。短いナックルサーブを出して、相手がバック側にツッツキを浮かせてきたところをバックスマッシュします。
ここで注意したいのが、ナックルサーブは下回転なのかナックルなのかわかりにくく出すことです。あきらかにナックルだとわかるようなサーブだと、フリックされてしまうので注意です。
4球目でバックスマッシュを打つためには?
続いて4球目でバックスマッシュを打つためには、相手の下回転系のサーブに対して、低めにしっかりとツッツキをします。
そうすることで、相手がループドライブや詰まりながらドライブをしてきて浮かせてくることがあるので、そこをバックスマッシュしましょう。
もし浮いてこなくて、低いドライブをされたらブロックをします。無理にスマッシュを打たないように注意です。
バックスマッシュの打ち返し方
では逆に、試合相手にバックスマッシュを打たれたらどのように打ち返したら良いでしょうか?
ご存知の方も多いと思いますが、バックスマッシュは卓球の決め技の1つでもあり、ボールのスピードの速い技術です。ですので、守備での返し方が多くなります。
フォアスマッシュを打たれた時も同じですが、「ブロック」や「ロビング」などで返すことが多くなるでしょう。
また、スピードが速いので卓球台の近くに立っていると、ノータッチで抜かれることが多くなります。ボールが浮いてしまって、スマッシュを打たれると思ったら、すかさず台から離れるようにして下がり、ブロックやロビングをするようにしましょう。
バックスマッシュが打ちやすいラバーとラケット
ここで、バックスマッシュがどうしても安定しない方や、苦手な方にオススメのバックスマッシュが打ちやすいラバーとラケットを紹介していきます。
バックスマッシュが打ちやすいラバー
まずは、バックスマッシュが打ちやすいラバーから紹介していきます。
フォアスマッシュは、固めのラバーがよかったですが、バックスマッシュを安定させるためには、フォアよりも少し柔らかめのラバーを選ぶようにしましょう。
理由はフォアよりもバックの方がボールに力を伝えにくく、固いラバーだと食い込ませる前にボールが飛んでいってしまうからです。
- ヴェガヨーロッパ(メーカー:XIOM、定価:4,000円(税抜))
- テナジー64FX(メーカー:BUTTERFLY、定価:オープン価格)
- ラクザ7ソフト(メーカー:YASAKA、定価:5,000円(税抜))
バックスマッシュが打ちやすいラケット
続いてバックスマッシュが打ちやすいラケットを紹介します。
- 馬林ソフトカーボン(メーカー:YASAKA、定価:9,000円(税抜))
- 馬龍カーボン3(メーカー:Nittaku、定価:18,000円(税抜))
- スワットパワー(メーカー:TSP、定価:10,000円(税抜))
参考動画
最後にバックスマッシュの参考動画リストを載せておきます。文字だけじゃわかりづらい場合は、動画も参考にしてみましょう。
まとめ
この記事の安定させるコツを意識して練習すれば、きれいなフォームも身に付いてバックスマッシュのミスが減るはずです。最初は練習の度に意識をして、無意識でもできるようにしていきましょう。
ただし、卓球の試合でバックスマッシュが安定するようになったからといって、回り込まなくなるのはダメです。やはり、フォアスマッシュの方が得点率は高いので、回り込めるときは回り込んでフォアスマッシュを打つようにしましょう。
どうしても回り込めないときだけ、今回のバックスマッシュを打つようにしてください。
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