バックドライブとは
バックドライブは、フォアドライブほどではありませんが卓球の試合ではよく使われる攻撃の技術です。昔の卓球だとオールフォアの卓球だったのでバックドライブは全く使われていませんでしたが、ここ数年で両ハンドドライブでの卓球になったので、バックドライブも良く使われるようになってきました。
バックドライブも上回転に対してと下回転に対してのドライブがありますが、今回は下回転に対してのバックドライブのコツを説明していきたいと思います。下回転に対してのバックドライブは、バック側に長い下回転サーブやツッツキが来たときに、回転を上回転に変えて攻撃する技術です。
では具体的にバックドライブの打ち方を見ていきましょう。
下回転に対してのバックドライブの打ち方
下回転に対してのバックドライブは近年の卓球では非常に大事な技術ですので、しっかりと打ち方を覚えて身につけるようにしましょう。以下が下回転に対してのバックドライブの打ち方になります。
- 膝を曲げる
- 腰を少し左に回す
- ラケットを両ひざの間くらいまで引く
- 膝と腰を戻しながら、肘を支点にしてラケットを斜め上にスイングする
以上が、下回転に対してのバックドライブの打ち方になります。ではここからは安定させるコツを見ていきましょう。
下回転に対してのバックドライブを安定させるための5つのコツとは?
卓球ではバックドライブもフォアドライブと同じで、体の使い方やボールへのラケットの当て方が大事になってきます。では、1つ1つしっかりコツを見ていきましょう。
1.膝と腰をしっかり使う
1つ目のコツですが、フォアドライブ同様に下回転に対してのバックドライブも、膝と腰をしっかり使うようにしましょう。腰は気持ち回す程度で大丈夫です。ただ、膝はしっかりと使います。膝の角度が80度くらいになるまで曲げて、しっかりと体を沈めて打つ準備をします。その後、打つ瞬間に膝を伸ばしながら打球することでしっかりとボールを飛ばすことができます。
膝と腰を使わずに手だけで打ってしまうと、下回転サーブやツッツキの回転に負けてネットミスしてしまうので、なるべく手だけではなく体を使って打つように意識しましょう。
2.ラケットを下に引いて準備する
2つ目のコツですが、ラケットをしっかり下に引くようにすることです。イメージとしては、バックスイング時に両膝の間までラケットを下げます。そうすることでしっかりとスイングすることができて、ボールを擦りあげやすくなり、しっかり飛ばすことができます。
ラケットを下に引かずに下回転に対してバックドライブを打ってしまうと、うまく擦りあげることができずにネットミスしてしまうので、注意しましょう。
3.ボールを薄くとらえて擦る感覚を身につける
3つ目のコツは、分厚くではなく、ボールを薄くとらえて擦る感覚を身につけることです。フォアドライブでも同じことですが、卓球初級者にとっては一番ここが難しいかもしれません。しかしここさえクリアできれば、フォアドライブもそうですし下回転に対してのバックドライブも一気に安定すると思います。
なるべくボールの表面を薄くとらえて、擦りあげて上回転をかけるように意識しましょう。イメージとしては当てて真っ直ぐボールを飛ばすのではなく、擦って弧を描くように飛ばすことです。また打球時に「パチン」と音を鳴らすのではなく、打球音をさせないことです。
4.肘を支点にスイングする
3つ目のコツですが、下回転に対してバックドライブを打つときは、肘を支点にしてスイングするようにしましょう。肘を支点にしてバックドライブを打つことで、上手く回転をかけることができてしっかりとボールを飛ばすことができます。
肘を支点にせずにスイングしてしまうと、スイングが大振りになってしまいオーバーミスしてしまったり、上手く擦れず当ててしまってネットを超えなかったりするので注意しましょう。
5.打つ瞬間しっかり力を入れてスイングする
5つの目のコツですが、バックドライブを打つ際にラケットを下に引いた時点では力を抜いておいて、スイングして打つ瞬間の打球時に力を入れることです。力を抜いておいて打つ瞬間に力を入れて打つことで、しっかりボールに力が伝わり安定して威力のあるバックドライブを打つことができます。
最初から力が入っているとうまく擦れず分厚く当たってミスしてしまいますし、最初から最後まで力を入れずスイングするとボールに力が伝わらずうまく飛んでくれません。なるべく打つ瞬間に力を入れてバックドライブを打つようにしましょう。
下回転に対してのバックドライブの練習方法
ここからは、下回転に対してのバックドライブの練習方法を、多球練習とラリー練習に分けて紹介していきます。
フォアドライブ同様に、バックドライブは回転をかける技術で、非常に難しいです。慣れない内は、多球練習でしっかり感覚を身に付けましょう。
多球練習
バック側の一定の位置に下回転ボールを球出ししてもらう
まずは、下回転に対してバックドライブをすることに慣れるために、1本1本丁寧に擦って感覚を養うようにしましょう。
いきなりスピードのあるボールを打とうとしなくても大丈夫です。ボールが山なりに飛んでも良いので、擦る感覚を身に付けます。
1度バック前に下回転ボールを出してもらい、続けてバック側に長く球出ししてもらう
徐々にバックドライブが身に付いてきたら、今度は動きをいれて練習します。
バック前に下回転を出してもらいバックツッツキをします。次にバック側に長く下回転を出してもらい、バックドライブを打ちましょう。
今度はバックツッツキをした後に、バックドライブを打つ練習です。ツッツキをした後の戻りを早くすることを意識すると、スムーズにドライブを打つことができます。
ラリー練習
下回転サーブを出した後、バックドライブ
多球練習で下回転に対してバックドライブを打つのが慣れてきたら、今度はラリー練習です。
まずは下回転サーブを出した後、バック側にツッツキをしてもらい、バックドライブをしましょう。サーブを出した後、素早く構えることでスムーズにバックドライブを打つことができます。
慣れてきたら、バック半面にツッツキを打ってもらい、足を動かして打つようにも練習していきましょう。
バックツッツキした後、バックドライブ
今度はレシーブからです。短く下回転サーブを出してもらい、バック側にストップかツッツキをします。その後バックにツッツキをしてもらい、バックドライブを打ちましょう。
レシーブをツッツキではなくストップにすることで、より試合みたいな実践的な形になるので意識してみましょう。
下回転に対してのバックドライブをミスしないために意識すること
下回転に対してのバックドライブをミスしないために意識することは、フォアドライブと同じですが、なるべく回転をかけることです。
回転をかけることで、ボールの弾道が弧を描いて山なりになり卓球台に収まってくれます。逆に回転をかけないで強く当てすぎると、真っ直ぐ飛んでいきネットミスかオーバーミスが増えるので注意です。
また、バックドライブを打つ時は、卓球台との距離感も意識しましょう。バックドライブは体の正面で打つ技術なので、卓球台との距離が近すぎると詰まってしまうので注意しましょう。
下回転に対してのバックドライブを打つための3球目、4球目攻撃の戦術
ここでは、下回転に対してのバックドライブを打つための戦術を、3球目攻撃と4球目攻撃にわけて紹介していきます。
3球目で下回転に対してのバックドライブを打つためには?
下回転に対してのバックドライブを3球目で打ちたい時は、まず順横下回転のサーブを短くバック前に出します。
相手はツッツキをしてきますが、サーブに横回転が混ざってる分、バック側に返ってきやすくなります。そこをバック側に待って、バックドライブを打ちましょう。
4球目で下回転に対してのバックドライブを打つためには?
今度は4球目攻撃をする方法ですが、相手の下回転系のサーブに対して、バック前にストップか長く深くにツッツキをしましょう。
ストップも深いツッツキも、低ければ相手は攻撃できないので、バック側にツッツキしてくることが多くなります。そこをバックドライブを打ちに行きましょう。
下回転に対してのバックドライブの打ち返し方
ここまでは、バックドライブの打ち方を説明していきましたが、逆に相手にバックドライブを打たれた場合は、どのように打ち返したら良いでしょうか?
バックドライブを打たれたら、基本的にはブロックで打ち返すようにしましょう。相手のバックドライブが甘ければ、カウンターでも大丈夫です。
ただ最初の内は、ブロックの方が良いと思うので、相手を見てブロックでコースを突いて得点に繋げられるようにしましょう。
下回転に対してのバックドライブを打った後、返ってきたボールにはどう対応する?
この記事を読んでいただき、下回転に対してバックドライブが打てるようになったとして、打ち返された場合、その次はどのように打てば良いでしょうか?
ある程度技術のある人であれば、簡単にバックドライブを返してくると思うので、バックドライブを打った後の対応を今度は紹介します。
バックドライブを打ち返させる場合、だいたいがブロックかカウンターだと思うので、この2つで返された場合の打ち返し方を説明していきます。
ブロックで打ち返された場合
まずブロックで打ち返された場合ですが、ブロックがバック側に来たらバックドライブ、フォア側に来たらフォアドライブで打ち返すようにしましょう。
ちなみにブロックは上回転なので、フォアもバックも下回転に対してのドライブではなく、上回転に対してのドライブです。
ラケットが下から出てしまうと必ずオーバーミスするので、上回転に対してのフォアドライブとバックドライブで打ち返します。
こうすることで、相手に反撃させることなく、連続で攻撃ができます。
カウンターで打ち返された場合
続いてカウンターされた場合ですが、少し下がってブロックするか、卓球台から離れてロビングをするようにしましょう。
カウンターされることはあまりないと思いますが、バックドライブを打つ時に詰まりながらになると、カウンターを打たれてしまいます。
バックドライブが詰まりながらでの打球になった時点で、すかさず卓球台から離れてブロックやロビングの体勢に入りましょう。
下回転に対してのバックドライブが打ちやすいラバーとラケット
下回転に対してのバックドライブが苦手な方や、試合でミスが多く出てしまう方のために、打ちやすいオススメのラバーとラケットを紹介していきます。
バックドライブを安定させたい方は、是非参考にしてください。
下回転に対してのバックドライブが打ちやすいラバー
まず、下回転に対してのバックドライブが打ちやすいラバーを紹介します。
ラバーに関しては、他の記事でも言っていますが、バックの方がボールに力を伝えにくいため、しっかり食い込ませられるように、柔らかめのラバーを選ぶようにしましょう。
- スーパーヴェンタス(メーカー:TSP、定価:5,200円(税抜))
- ヴェンタスソフト(メーカー:TSP、定価:4,700円(税抜))
- ロゼナ(メーカー:BUTTERFLY、定価:5,000円(税抜))
下回転に対してのバックドライブが打ちやすいラケット
続いて、下回転に対してのバックドライブが打ちやすいラケットを紹介します。
- クリッパーウッド(メーカー:STIGA、定価:13,000円(税抜))
- スワットパワー(メーカー:TSP、定価:10,000円(税抜))
- アコースティック(メーカー:Nittaku、定価:18,000円(税抜))
参考動画
バックドライブの参考動画を載せておきます。トップの卓球選手のフォームはやはりきれいなので、真似してみるとコツがつかみやすいかもしれません。是非参考にしてみてください。
まとめ
近年の現代卓球は、ピッチが速くなっていてフォアドライブだけではなくバックドライブも振れないと勝てないようになっています。もちろん、いざという時の決め球はフォアで打ちに行きますが、それまでの繋ぎのラリーなどはバックドライブも使っていきたいところです。
バックドライブは、フォアドライブよりも難しく敷居が高く感じるかもしれませんが、コツさえ掴めば誰でも使える技術です。皆さんも卓球の試合で両ハンドドライブが振れるように、この記事を見てバックドライブを安定させられるように練習していきましょう。
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