やなぎとは
皆さん、卓球の技術で「やなぎ」ってご存知でしょうか?おそらく知らない人がほとんどだと思います。名前をちらっと聞いて、どんな技術なんだろうとネットで調べて、この記事にたどり着いた方もいるんではないでしょうか?
やなぎは、短い順横回転サーブをストップされた時に使うストップ技術なんですが、通常のストップとは違うんです。通常のストップは下回転ですが、やなぎは「上回転のストップ」になります。
おそらく県大会レベルでは使っている人はいませんが、全国大会レベルではちらほら使っている人がいる技術です。
この記事では、そんな上回転ストップ「やなぎ」の打ち方やコツ、試合で使う戦術や打ち返し方などを紹介していきます。やなぎについて気になる方は、是非参考にしてください。
やなぎの名前の由来
卓球の「やなぎ」という技術の名前の由来ですが、韓国の元卓球選手で現韓国ナショナルチームコーチの「柳承敏(ユ・スンミン)」選手がすごく上手で、よく使っていたことから、「柳承敏」の「柳」を取り日本語読みにして「やなぎ」となったそうです。
やなぎを覚えるメリット
やなぎを覚えるメリットは、やはりあまり知られていない技術なので、覚えて使うことができれば中級者以下の卓球選手はほとんど取れないだろうというところです。
また、やなぎは卓球の技術で大事な台上技術です。使える台上技術の種類が増えれば、戦術の幅がかなり広がります。やなぎを覚えることができれば、戦術の幅がかなり広がるので是非覚えましょう。
通常のストップ(下回転)とやなぎ(上回転)を試合中に混ぜて使うだけでも、相手は何回転を打たれているのかわからなくなり、ミスをしてくれます。
やなぎの打ち方
では、ここでやなぎの打ち方を紹介していきます。簡単に説明していくので、どんな感じかイメージしてみましょう。
- 右足を出しながらフォアストップするように台に入る
- バウンド直後のボールの外側を捉える
- 少し斜め上にラケットをスイングする
以上が、やなぎの打ち方になります。
やなぎを安定させるための5つのコツとは?
やなぎの打ち方がわかったところで、今度はやなぎを安定させるコツを見ていきましょう。
1.バウンド直後を狙う
まず1つ目のコツですが、やなぎを打つ時は相手のボールのバウンド直後を狙うようにします。ストップもバウンド直後を狙うと思いますが、やなぎの時も同じです。
バウンド直後を狙うことで、きれいにやなぎを打つことができます。頂点や頂点後だとネットミスしたり、入っても中途半端な長さのボールになってしまうので注意しましょう。
2.ボールの外側を捉える
2つ目のコツは、ボールの外側を捉えることです。通常のストップはボールの斜め下を捉えますが、やなぎ(上回転ストップ)はボールの外側を捉えるようにします。
ボールの外側を軽く上に擦るように打つことによって、やなぎを打つことができます。ただし、上に擦る際大振りにならないように注意します。大きく振りすぎるとストップにならず長くなっていしまいます。
やなぎを打ちたい時は、スイングはコンパクトにするようにしましょう。
3.無理に上回転をかけようとしない
3つ目のコツは、無理に上回転をかけようとしないことです。2つ目のコツで、上に擦るように打つと説明しましたが、説明している通り軽くでOKです。
おもいっきり強く上回転を自分からかけようとすると、飛ばしすぎてしまったりストップにならなくなります。やなぎを打つ時は、無理に上回転をかけようとせず、手の力を抜いて軽く打つようにします。
4.ストップされた時のみ使うようにする
4つ目のコツは、ストップされた時のみ使うようにすることです。コツというか使う場面の話になりますが、ストップではなく長くツッツキされた時は、やなぎではなく両ハンドドライブを打つようにしましょう。
やなぎは台上技術なので当たり前ですが、このようにストップされた時のみやなぎを打つことで、ミスが減ります。
5.サーブの回転を利用する
5つ目のコツですが、やなぎを打つ時はサーブの回転を利用すると打ちやすくなります。もちろん、ナックルサーブなど無回転のサーブを出してストップされたボールに対して、やなぎを打つことも可能です。
ですが、順横回転系のサーブを出してストップしてきたボールは、サーブの回転が残っていて、その回転を利用してやなぎを打ちやすいです。
ですので、やなぎを打ちたい時は、順横回転系のサーブを出すとミスが減ります。
やなぎの練習方法
やなぎについて、打ち方やコツがわかったところで実際に練習していきましょう。ラリーでの練習方法を紹介していきますので、覚えたい方は参考にしてください。
ラリー練習
横回転系のサーブを出してストップしてもらう
まずは、短く横回転系のサーブを出してストップしてもらいます。ストップに対してやなぎを打ちに行って練習しましょう。
サーブを出した後の構えを素早くすることで、やなぎを打つ準備がスムーズにできてミスが減ります。
やなぎを打った後は自由にラリーをして、やなぎを打った後のラリー展開にも慣れていきましょう。
横回転系のサーブを出してストップorツッツキをしてもらう
今度は、横回転系のサーブを出した後、ストップとツッツキをランダムに打ってもらいます。ストップが来たらやなぎ、ツッツキが来たらドライブで打ち返せるように練習をします。
やなぎの練習もしつつ、ストップなのかツッツキなのかの判断練習もしていきます。この判断練習をすることで、実際の卓球の試合でもやなぎがスムーズに使えるようになります。
やなぎを使った戦術
ではここで実際に試合でできるような、やなぎを使った戦術を紹介していきます。
やなぎを打った後、両ハンドドライブ
まず横回転系のサーブを短く出します。ストップされたボールに対して、やなぎを打ちます。やなぎに慣れていない相手だとボールが少し浮いて返ってくると思うので、そこを両ハンドドライブで決めにいきましょう。
やなぎは上回転のストップなので、慣れていない相手だと下回転だと思いボールの下を捉えにいきがちです。そうするとボールを浮かせてくれるので、浮いたところを狙う戦術になります。
やなぎとストップを混ぜる
もう1つの戦術は、相手のストップに対してやなぎとストップを混ぜることです。
横回転系のサーブを出して相手がストップをしてきます。そのストップに対して、やなぎとストップを混ぜて打ち返すことにより、相手はやなぎのことを理解していても何回転なのか判断できず、迷ってミスしてくれます。
やなぎをミスしないために意識すること
やなぎをミスしないために意識することは、コツの部分でも紹介していますが、打点を意識することと無理に上回転をかけようとしないことです。
打点を速くすることで、回転を利用して安定したやなぎを打つことができます。また、無理に上回転をかけようとするとスイングが大きくなり、長さが中途半端になり上手くやなぎが打てないです。
特にこの2点を意識することで、やなぎのミスが減ります。
やなぎの打ち返し方
やなぎについていろいろわかったところで、今度は相手にやなぎを打たれた場合の打ち返し方を紹介していきます。
まずは、相手がストップをしてきたのかやなぎを打ってきたのかを判断するために、相手の打ち方をしっかり見ておきましょう。見て判断できたうえで、相手にやなぎを打たれた場合は、少し面を下に向けた状態でフリック、もしくは台上ドライブを打つようにします。
慣れないことをされたからと言って合わせるだけで打ち返してしまうと、逆に相手に強く打たれてしまいます。やなぎだと分かったのであれば、フリックや台上ドライブで攻撃しましょう。
やなぎを打った後、返ってきたボールに対してどう対応する?
やなぎが打てるようなったとして、帰ってきたボールにはどう対応したらいいでしょうか?やなぎを打ち返された場合の対処方法を紹介します。
浮いてきた場合
まず相手にやなぎが効いて浮いてきた場合は、スマッシュや強打をして決めにいきましょう。
相手が中級者以下のレベルであれば、やなぎを打つと回転がわからず浮かしてくれます。やなぎに対して浮いてきたら、どんどん攻撃して攻めていって点数を取りに行ってOKです。
フリックされた場合
相手がやなぎのことを知っていた場合は、フリックで打ち返してくると思います。フリックを打たれた場合は、上回転に対してのドライブを両ハンドで振っていきましょう。
もしフリックが強打寄りのフリックだった場合は、ブロックで守りに入ってもOKです。打てそうであればドライブ、厳しそうであればブロックといった感じで、臨機応変に対処しましょう。
参考動画
最後にやなぎの参考になる動画を紹介します。動画でやなぎについて分かりやすく解説されているので、文字だけではわかりにくい方は参考にしてください。
まとめ
この記事では、やなぎの打ち方やコツ、練習方法や戦術など様々解説していきましたがいかがでしたでしょうか?
やなぎという技術はあまり知られておらず、県大会レベルでは使っている卓球選手はほぼほぼいないので、使えるようになれば間違いなく相手に効く技術だと思います。
また、やなぎを習得するのはそこまで難しくないので、是非この記事を読んだ方は参考にしてやなぎを練習して、試合で使えるようにしてみましょう。
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