粒高のプッシュとは?
卓球のプッシュは、粒高ラバーで打つのが特徴で、相手の下回転サーブやツッツキなどの下回転ボールを、前に押し出すように打球しナックル(少し上回転)にして打ち返す技術です。下回転をナックル(少し上回転)にして打ち返す技術なので、初級者が粒高ラバーを使用している選手を初めて相手にすると、かなり混乱すると思います。
そんな粒高ラバーは、昔の卓球ではペンホルダーの守備型やカットマンのバック面に貼っている選手が多かったようです。ですが最近ではシェークハンドで攻撃型の戦型の、50代以上の女性の方も貼っていることが多いようです。
シェークハンドの攻撃型の方でも、バック側が苦手だったり回転の変化で勝負したい方は、バック面を粒高にしている傾向にあります。
粒高のプッシュの打ち方
下回転ボールをナックル(少し上回転)にして打ち返す粒高でのプッシュですが、どのようにして打つのか、打ち方を見てみましょう。
- ボールが飛んでくる場所まで足を運ぶ
- おへその前までラケットを引く
- 肘から押し出すように前にスイングする
以上が、簡単ですが粒高でのプッシュの打ち方になります。
粒高のプッシュを安定させるための5つのコツとは?
ここからはプッシュを安定させるためのコツを見ていきましょう。
1.バックスイングをとると同時に、フリーハンドを前に出す
1つ目のコツですが、プッシュのバックスイングをとる際はフリーハンドを前に出すようにしましょう。フリーハンドを少し前に出すことで、バックスイングが取りやすくなります。バックスイングをしっかりとることで、腰の回転を利用して力強くを押し出すことができ、安定したプッシュを打つことができます。
フリーハンドを前に出さないと、バックスイングが取りづらく手打ちになったり、変に手首を使いすぎてラケットの角度が安定しなくなり、ミスが増えてしまうので注意しましょう。
2.手首は固定する
2つ目のコツは、手首を固定することです。手首を固定することで、ラケットの角度が安定してミスが少なくなりますし、威力やスピードのあるプッシュを打つことができます。
手首が固定できず、手首を使いすぎてしまうとラケットの角度がブレすぎてしまい、ミスに繋がります。プッシュを打つ瞬間ラケットが上を向きすぎているとオーバーミス、下を向きすぎているとネットミスが増えます。当然のことですが、手首は固定するようにしましょう。
3.ラケットの角度は45度から90度にする
3つ目のコツですが、プッシュを打つ際のラケットの角度は45度から90度にしましょう。相手の下回転の量にもよりますが、だいたいはラケットが少し上を向いている45度から、垂直の90度くらいにすると安定したプッシュを打つことができます。
3つ目のコツと同じことですが、45度よりも上を向けすぎるとオーバーミスが増えますし、90度よりもラケットを下向けすぎるとネットミスが増えるので、注意しましょう。
4.体の正面で捉える
4つ目のコツは、ボールを体の正面で捉えることです。プッシュはバックの技術なのでバックハンドなどと同じことですが、体の正面で打つことでボールにしっかりと力を伝えることができ、安定したプッシュを打つことができます。
体の正面ではなく横でプッシュを打つと手打ちになりミスが増えますし、それこそ手首を使ってしまったり、変な打ち方になってしまいます。プッシュはなるべく体の正面で打つようにしましょう。
5.打点は頂点前か頂点
5つ目のコツは、打つタイミングです。プッシュを打つタイミングは頂点前か頂点にしましょう。早めの打点でプッシュを打つことで、ボールが捉えやすく勢いのあるプッシュを打つことができます。
頂点後など打つタイミングが遅れると、ラケットの角度がブレたりしてボールをしっかりと捉えにくくなりますし、ボールが体に近づきすぎて詰まっての打球になるとミスにつながるので注意しましょう。
粒高のプッシュの練習方法
ここまでで、粒高のプッシュを打つコツはわかったと思います。では次に、練習方法を見ていきましょう。
多球練習
ワンコースに下回転ボールを出してもらう
まずは、球出しでワンコースに下回転のボールを出してもらい、それに対してプッシュの練習をしましょう。
バック側に出してもらってバックプッシュの練習をして、慣れてきたらフォア側にも出してもらって、フォアプッシュの練習をします。
慣れるまでは、バックプッシュとフォアプッシュをそれぞれ単体で練習しましょう。
フォアとバックの交互に下回転ボールを出してもらう
バックプッシュとフォアプッシュ、それぞれ慣れてきたら、今度は交互に打つ練習をしていきます。
バック側とフォア側の交互に下回転のボールを出してもらい、バックとフォアを切り替えてプッシュの練習をしましょう。
足を動かして体を近づけてプッシュを打つことがポイントになります。
全面ランダムに下回転ボールを出してもらう
バックとフォア交互にプッシュを打つことに慣れてきたら、全面ランダムに下回転のボールを出してもらい、プッシュを打つ練習をしていきます。
実際の卓球の試合ではどこにツッツキが飛んでくるかわかりません。ですのでランダムに出してもらって、どこに来てもしっかりプッシュを打てるように練習していきましょう。
ラリー練習
下回転サーブを出した後、ツッツキで打ち返してもらう
多球練習でプッシュを打つことに慣れたら、ラリーでも練習しましょう。
まず下回転サーブを出し、相手にツッツキで打ち返してもらいます。ツッツキに対して、プッシュを打つ練習をしましょう。
最初はバックかフォアどちからのみにコースを決めてツッツキを打ってもらい、プッシュを打つ練習をします。
慣れてきたら下回転サーブに対して全面にツッツキを打ってもらって練習していきましょう。
相手の上回転サーブに対してブロックした後、ツッツキで打ち返してもらう
今度は相手に上回転サーブを出してもらい、1度ブロックした後ツッツキで打ち返してもらい、プッシュを打つ練習をしましょう。
サーブからとレシーブから、両方のパターン練習をすることで、どんなパターンからでもプッシュを打てるようにしていきましょう。
粒高のプッシュをミスしないために意識すること
粒高のプッシュをミスしないために意識することは、足を動かすこととラケットの角度です。
卓球はどんな技術でもそうですが、足を動かさず手だけでプッシュを打ちにいっても必ずミスしてしまいます。
バックプッシュは体の正面で、フォアプッシュは脇が空きすぎないように意識して打ちにいきましょう。
また、プッシュを打つ時はラケットの角度も注意してください。上を向きすぎていても、下を向きすぎていてもミスしてしまいます。
相手の下回転量に合わせて角度を作れるように意識して練習しましょう。
粒高のプッシュを使った戦術
ここまででプッシュのコツや練習方法を見ていきました。では、実際に粒高のプッシュを使った戦術を見ていきましょう。
ブロックで粘り、ツッツキしてきたところをプッシュ
基本的に粒高相手には、ドライブを多めに打ってくると思います。ですので、まずブロックでなるべくコースを狙いながら粘りましょう。
ブロックでコースを突くことができたら、相手はツッツキをしてきます。ツッツキしてきたところをプッシュで攻撃していきましょう。
プッシュも同じように、相手を見てコースを突くことによって、チャンスボールが生まれてスマッシュで決めにいけるようになります。
下回転サーブを出した後、速攻で強くプッシュを打つ
もう1つの戦術ですが、下回転サーブを低く短く出して、相手にツッツキをさせて、速攻で強くプッシュを打ちにいくことです。
相手はおそらく、いきなり強くプッシュされるとは思っていません。そこをあえて狙うことによって、得点に繋がります。
また基本的にクロスで待っていると思うので、ストレートを狙うようにしましょう。
粒高のプッシュを打った後、返ってきたボールに対してどう対応する?
プッシュが打てるようになったところで、返ってきたボールにはどう対応すれば良いでしょうか?
ドライブで打ち返された場合
まず、プッシュをドライブで打ち返された場合ですが、ブロックで返すようにしましょう。
ドライブに対してもプッシュで打ち返してしまうと、回転に負けてオーバーミスするので注意です。
カットで打ち返された場合
続いて、プッシュをカットで返された場合は、連続でプッシュしていきましょう。
カットやツッツキなど、下回転系で返ってきた場合は、どんどんプッシュで攻撃します。
粒高のプッシュが打ちやすいラバー
粒高のプッシュが安定しない人のために、プッシュが打ちやすい粒高ラバーを紹介します。
- カールP-3 ソフト(メーカー:TSP、定価:3,000円(税抜))
- カールP-2 ソフト(メーカー:TSP、定価:3,000円(税抜))
- モリスト LP(メーカー:Nittaku、定価:4,200円(税抜))
参考動画
最後にプッシュの参考動画を載せておきます。粒高は扱い方が難しいですが、動画を見てプッシュの打ち方をしっかり学びましょう!
まとめ
粒高でのプッシュは最初は難しく感じるかもしれませんが、コツをつかめばかなり攻撃的なプッシュもできるようになり、相手を混乱させることができます。この記事のコツをしっかり読んで、プッシュをマスターして卓球を楽しみましょう!
また、粒高を貼っていない方も、この記事を読めば粒高のプッシュがどういう性質のボールなのか理解できると思います。是非読んで理解していきましょう。
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